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カサブランカに愛を [ゲーム]

「カサブランカに愛を -殺人者は時空を越えて-」は、1986 年にシンキングラビットから発売されたアドベンチャーゲームです。
PC-8801 / PC-9801 / X1 版がオリジナルですが、後に X68000, MSX2 にも移植されいていますのでご存知の方も多いでしょう。 最近ではプロジェクトEGGで PC-8801 / X68000 / MSX2 用が配信されています。


カサブランカに愛を - タイトル (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を - タイトル (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)

カサブランカに愛を - クレジットタイトル (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を - クレジットタイトル (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)


タイトル画面からも分かるように、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン主演のアカデミー賞映画「カサブランカ」のオマージュとして制作されています。


ゲーム中の画面もモノクロで、なんとなく物足りない気もしますが、描き込まれた情景は雰囲気が出ていて慣れれば全く気になりません。
当時主流だったコマンド入力式を採用していて、英語だけでなく日本語での入力も可能です。
シナリオに専念してもらおうとの配慮からか、無駄なアイテム探しを極力排除するため、何もアイテムがない場合は、「取り立てて変わったところはありませんでした。」等のメッセージが表示されるようになっています。




第二次世界大戦末期の 1945 年、主人公はシカゴの新聞社に勤める女性記者ジェリー・ランドルフです。
毎週のように電話をしていた親友と突然連絡が取れなくなり、親友から日記が送られてきます。
そこには、科学者の父親が時間に関する研究をしていること、その研究を軍部が狙っていて脅迫されていること、自分にも魔の手が及ぶかもしれないこと等が書いてありました。
同僚のロイ・スティーブンスに相談を持ちかけ、共にゲイルズバーグにある親友の家へ向かいます。
家の前へ到着したところからゲームは始まります。


カサブランカに愛を - ゲーム開始画面 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を - ゲーム開始画面 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)


以降の画面イメージは、ネタバレしないように「もちもの」部分は塗りつぶしてあります。


カサブランカに愛を #1 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を #1 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)

カサブランカに愛を #2 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を #2 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)

カサブランカに愛を #3 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を #3 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)

カサブランカに愛を #4 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を #4 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)

カサブランカに愛を #5 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を #5 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)


スクリーンショットでもお分かり頂けると思いますが、古き良きアメリカの雰囲気がよく伝わってきます。
物語の舞台となるゲイルズバーグはアメリカ合衆国イリノイ州ノックス郡の郡庁所在地で、街が作られた 1850 年頃から二十世紀前半までの面影を色濃く残す場所です。




物語のモチーフになったのは、ジャック・フィニイ(Jack Finney)の短編小説「ゲイルズバーグの春を愛す (I Love Galesburg in the Spring Time)」でしょうか。
小説には、ゲームの舞台となっているゲイルズバーグの雰囲気が細かく描写されています。
実はこの小説も、ゲームと同じく時空を超えることがテーマになっていますので、興味のある方はぜひ一読を。

『ゲイルズバーグの春を愛す』 ジャック・フィニイ, 福島正実訳, ハヤカワ文庫 FT26,
ISBN-13: 978-4150200268

手元にあるのはこっちですが、既に絶版になっているようです。
『ファンタジーへの誘い - 海外SF傑作選 9』 伊藤典夫編, 講談社文庫 BX19
13本の短編が収録されていて、その最後が「ゲイルズバーグの春を愛す」です。
訳は早川文庫版と同じく、福島正実氏です。




前々回の記事でイメージファイルの編集について書きましたが、イメージ変換とツギハギを何度も繰り返してやっとエラーが出なくなりました。 いやぁ、苦労しました(笑)



あっ、ネタバレしない程度にゲームのラストシーンを紹介しておきます。

カサブランカに愛を #6 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)
カサブランカに愛を #6 (PC-8801)(1986)(THINKING RABBIT)


'#3' と表記されているのは「ディスクミステリーシリーズの第3弾」という意味です。
映画「カサブランカ」のメインテーマ 'As Time Goes by' なんてのも書かれていますね。

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Laver

これはFM-7では出ていない、と思います。
「道化師殺人事件」とともに、FMでも出してほしかったゲームですね。
by Laver (2009-07-24 20:40) 

M_t

あんまり関係ないですが、シンキングラビットが親戚の家の住所(宝塚)の近くにあったので、すごく印象的です。
それと、関西3社 XTALとハミングバードとシンキングラビットでトリニティという名前で共同で広告とか出してましたよね。

3社のうちのどこかの開発の人が、「トリニティの会合とかいっても、社長たちの飲み会だ。」とか雑誌で語ってたのを思い出します。
それにしても、倉庫番以外のシンキングラビットのゲームは映画っぽくて、渋めですね。

by M_t (2009-07-24 21:07) 

Thunderbolt

Laverさん、コメントありがとうございます。

ご指摘ありがとうございます。早速、修正しました。

フルマシン語で作成されており、ファイルシステムもなく、画像データもダイレクトにセクタ決め打ちでロードしているらしいので、FM-7 用に自力で移植したいところですが、ちょっと無理かと・・・

by Thunderbolt (2009-07-24 21:14) 

Thunderbolt

M_tさん、コメント & nice! ありがとうございます。

>関西3社 XTALとハミングバードとシンキングラビットでトリニティという名前で共同で広告とか出してましたよね。
そうそう、ログインに広告がよく出てました。
でも、発売されたのは1~2本じゃなかったでしょうか^^;

シンキングラビットは「倉庫番」で世界的に有名ですが、実はアドベンチャーの方が好きだったりします。

by Thunderbolt (2009-07-24 21:31) 

本名荒井

 自分はMSX2版でやりました。コマンド入力式AVG最後期の名作の一つですね。あげたアイテムを返してもらうとか言葉探し等、少々難しいトリックがあるのも、コマンド入力式ならではでした。白黒グラフィックも往年のマッキントッシュを彷彿させて洒落てますな。
 元ネタらしき小説の存在は初めて知りました。ジャック=フィニィに福島正実という取り合わせにはそそられるものがありますな。
by 本名荒井 (2009-07-25 14:32) 

Thunderbolt

本名荒井さん、コメントありがとうございます。
>自分はMSX2版でやりました。コマンド入力式AVG最後期の名作の一つですね。

PC-88版は、カタカナ入力をしなくてもローマ字変換が出来るようになっていて楽でした。

>あげたアイテムを返してもらうとか言葉探し等、少々難しいトリックがあるのも、コマンド入力式ならではでした。

「○○を貰い○○を渡して○○を返してもらう」ですね。
自分が詰まったのは、他の物に気をとられて○○の存在に気がつかなかったのと、○○に○○を勧めて断られるところでした。

>元ネタらしき小説の存在は初めて知りました。ジャック=フィニィに福島正実という取り合わせにはそそられるものがありますな。

ジャック・フィニイの小説も、福島正実氏の文体も好きですね。 ハヤカワ文庫の訳書はよく読みました。
福島正実氏が早世されたのが残念です。

by Thunderbolt (2009-07-25 22:28) 

Thunderbolt

チビさん、単騎さん、牛ドリアンさん、nice! ありがとうございます。
お礼が遅くなりましてすみません。

by Thunderbolt (2009-07-27 23:36) 

どらお

はじめまして。
3DO版(時を超えた手紙)の記事を書く際、
嘘がないようにいろいろ調べていて
このエントリにたどり着いたのですが、
ひと月以上前のものにコメントしていいのかなと遠慮しておりました。
それにしても
「カサブランカに愛を」は機種によってグラフィックが随分違いますけど、
このエントリの画像やEGGを見ると
それぞれに良い味があるなと思います。
個人的には
エンディングの際に続編をにおわせるような話があったのに
結局これっきりだったのが少し残念でした。
by どらお (2009-09-14 23:04) 

Thunderbolt

どらおさん、コメント & nice! ありがとうございます。

レトロゲームに「旬」はないと思っておりますので、過去の記事にもコメントして頂ければありがたいです。

トラックバックの承認をありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

by Thunderbolt (2009-09-15 00:25) 

あやちだいち

またもや遅いコメントですみません。


PC-8801版でこれをやりました!
エンディングは無事迎えているのですが、なんせ24年前ですから、強く印象に残っていると言えばストーリー良かった感じと、200ラインの88をあえて白黒にして400ライン表示でキレイだったこと。
多分お話の内容から白黒にしたんだとは思いますが。

もう一度時間を作ってやりたい候補ソフトですね。
昔のレトロゲームが今でも出来るって幸せです。

by あやちだいち (2010-04-18 02:49) 

Thunderbolt

あやちだいちさん、コメントありがとうございます。

>多分お話の内容から白黒にしたんだとは思いますが。
「探検隊第2弾」もそうだったのですが、2D の2枚組だと収納できるグラフィックの枚数が少なくなり過ぎるため、モノクロ画像にする必要があったではないかと思います。
当時はまだ自社でコピーできる体制ではなかったですから、業者にコピーとプロテクトを発注する関係上、コストの面からもディスク枚数の制限は厳しいものがあったのではないかと推測されます。

>もう一度時間を作ってやりたい候補ソフトですね。
もし、今でもお持ちでしたら、是非やてみてください^^

by Thunderbolt (2010-04-18 08:40) 

Thunderbolt

プラテーロさん、nice! ありがとうございます。

by Thunderbolt (2010-08-29 10:36) 

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