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認めたくないものだな、自らの若さゆえの過ちと言うものを… [雑記]

思い返してみると、初めてパソコンに打ち込んで走らせてみたプログラムは、「RAM」という雑誌に載っていたゲームだ。(名前は忘れました^^;)

学校帰りに友人達と立ち寄った書店で、目に留まったのがパソコン雑誌の表紙に書かれた「ガンダムゲーム」の文字。
普通なら真っ先に「I/O」を手に取るところなのだが、そばにあった「RAM」の方へ目が行ってしまい、「ガンダム」に惹かれて購入してしまった。

初めて購入したパソコン雑誌は「I/O」だった。(詳細は「思い起こせば…」へどうぞ)
その時も「ルービックキューブ」の文字に釣られて買ったのだが、この時も前年に放送していた「ガンダム」という文字についつい吸い寄せられてしまったのだ。




「ガンダム」それは、数ヶ月前に Y 君が休み時間に M 君と話していた「昨日見たアニメ」。
「今までのアニメと違って、単純な勧善懲悪じゃない」
「敵役のシャアがカッコイイ」
…そんな言葉に薦められて見るようになったのだが、放送が進むにつれドップリとはまり込んでしまった。




「ガンダム」に惹かれて購入してしまったものの、もちろんウチでカタカタと入力できる環境も無く、まだ友人達もパソコンを持っていなかったので、何が書かれているのか分からない BASIC のプログラムリストをぼんやりと眺めているだけの日々が続いた。

ある週末の土曜日、友人が「明日、寺町へいかへんか?」と言うので、先日買った「RAM」をもって行き、店頭で打ち込んで遊んでみようという話になった。

当時、京都・寺町の電気店街にもマイコンブームの影響で「マイコンコーナー」を設ける店が増えつつあり、「ヒエン堂」や「ニノミヤ無線」等はオーディオコーナーやパーツコーナーを削るような形でマイコンのコーナーを設置していた。

日曜の午前中に友人の家へ集合し、三人でバスに乗り四条河原町へと向かう。
新京極のファストフード店で昼食を済ませ、寺町の「ニノミヤ無線」へ足を速めた。

2Fのマイコンコーナーへ上がると、休日だというのに人影はまばらで、お目当ての「PC-8001」は電源を入れられてから誰も触れていないらしく「NEC PC-8001 BASIC Version 1.0」という起動ロゴを表示したままの状態で鎮座していた。

早速カバンから「RAM」を取り出し、三人がかりで打ち込み始めたのだが、まだ三人ともキーボードの使い方がよく分かっていなかった。
SHIFTキーを押せば大文字が打てることぐらいは一度経験すれば分かるのだが、「"」や「$」等の記号の打ち方はおろか、アルファベットやカナの位置さえ分からず、「'V' はどこ?」「'O' はどこ?」と、ひたすら文字探しを繰り返す羽目になってしまった。

たかだか2ページ弱の BASIC のリストを打ち込むのに二時間以上を費やし、やっと打ち込み終わったものの、三人の頭の中には「LOAD」「SAVE」という概念さえなく、プログラムが動いている状態が早く見たい一心で「f・5」キーを押してみることにした。

画面がクリアされ、左端に文字が表示され始めたところで、「ピー」。
エラーメッセージが表示され停止する。

「'Syntax error' ってなんや?」
「たしか、'Syntax' は文法って意味やぞ」
一番頭の良い Y 君がさらりと言う。

「文法って英語の文法か?」
「コンピュータと文法がどう関係するんや?」
三人の頭の中は?マークが飛び回っていた。

「ここに 'in 140' って書いてあるから、140 のところが間違ってるってこととちゃうか?」
「…そうか」
「そんなら、140 のところ読んでみて」
「140 W、I、D、T、H」
「あっ、'I' が '1' になってた」

f・5キー押下&審判の瞬間…「ピー」

「今度はなんや?」
「'Illegal function call' なんて読むんや?」
「分からんけど、'function' は関数って意味や」
またまた Y 君がさらりと言う。

「今度は関数?、さっきは文法?」
「コンピュータやるには、数学と英語の知識がいるんか?」
「そういえば '#' もあったなぁ」
論理的思考に長けた M 君の頭の中は?マークだけでなく、数学記号や音楽記号までもが飛び回っていたに違いない。


そんなこんなで40分ほど悪戦苦闘したが、結局まともに動かすことはできず、三人は栄養を使い果たした脳ミソのまま家路に着いたのである。

これが私の初めてのプログラミング体験です。




もう、あれから30年程の月日が流れましたが、当時は「ガンダム」が大ヒットするとは夢にも思わず、ましてパソコン等の情報機器が生活必需品となる日が来るなんて、夢のまた夢…。
良い時代になったものだと、つくづく感じながら昔を思い出してみました。

追記
映画「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」の主題歌の作編曲を手がけられた井上大輔氏が亡くなられて早10年。
今日は命日なので残りの時間を「哀・戦士」を聞きながら過ごすことにします。 合掌...

タグ:雑誌 RAM PC-8001

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