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幻のPC-8001用2HDドライブ [パソコン]

PC-8001 でディスクドライブが接続されているシステムで、ディスクから読み込みを行わずに ROM BASIC を起動するテクニックとして、「ESC 」キー + Reset という手法が知られています。

N-BASIC は、起動処理の途中でディスクドライブの接続状態を調べ、接続されていれば IPL を読み込むという処理をするのですが、「ESC 」キーが押下されていないとコントロールポート FFH が、押下されているとコントロールポート FBH が選択されるようになっています。
このとき選択されたポート番号はワークエリアに格納され、ディスクサブシステムとのハンドシェークルーチンはこの値を参照して出力先を決定しています。




PC-8001 / PC-8801 シリーズでは、ポート FCH - FFH は 5″2D ドライブとのハンドシェークに使用されていますが、PC-8801 シリーズでは ポート F8H - FBH は 5″2HD DMA ドライブの制御用に割り当てられています。

ただ、このことから PC-8001 に 5″2HD を接続する事を考えていたと考えるのは乱暴です。
電電公社フォーマットとして知られる 5″2HD ですが、PC-8001 が発売された 1979 年当時に、標準的な規格として存在していたのは、8″1S/2S/2D と 5″1S/1D だけでしたし、国産で 5″2HD 搭載PCが発売されたのは、PC-8001 の発売から5年後の 1984 年 2 月発売の「富士通 FM-11 BS/AD2」が最初ではないかと思います。

ちなみに NEC のパソコンでは、同じ 1984 年 11 月に発売された PC-9801 M が、PC-8801 シリーズでは 1985 年 11 月発売の PC-8801 mkII MR が、5″2HD を搭載したシリーズ初のモデルです。
また、1981 年 7 月発売のオフコン N5200 シリーズの初代機 N5200/05 (オーファイブと呼ばれてました)には 8″2D ドライブが2基搭載されていました。




このことから考えると、PC-8001 には 8″2D を 5″1D/2D と同じようにインテリジェントドライブとして接続する予定だったのだと思われます。

PC-8001 用には 8″2D ドライブは発売されませんでしたが、もしかしたら PC-100 の 5″2D ドライブを 2DD ドライブに換装したユーザーが居たように、PC-8001 に 8″2D を繋げる事に成功した方が居たかもしれませんね。

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